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マイクロ流体力学応用のためにレーザーを使用して製作したマイクロチャネルの特性評価
Sensofarの3D光学式形状測定装置S neoxによって、レーザー技術を使用して製作したマイクロチャンネルのトポグラフィーの特性を簡単に評価することができました
マイクロ流体分野はさまざまな応用が可能なため、ここ数年で大きく発展しています。マイクロ流体の直接的な応用例が、Lab-on-a-chip(ラブオンチップ)、Organ-on-a-chip(生体機能チップ)、POCデバイス、細胞捕捉、化学分析、生体分析などです。使用については、マイクロ流体デバイスにはさまざまな形状があり、必要に応じて構造が複雑化しますが、マイクロ流体デバイスを形成する基本構造のひとつがマイクロチャンネルです。
マイクロチャンネル製造用の材料がいくつか報告されていますが、それぞれの適合性は製作法によって異なります。これらの材料には、ポリマー、シリコン、ガラスなどがあります。製作法には、ソフトリソグラフィ法、フォトリソグラフィ法、サーモヒュージング法などがありますが、強度、化学的抵抗性、透明性、低コストの点からソーダ石灰ガラスを材料に選択した場合は、直接レーザー書き込みが最適な方法のひとつです。この方法は高精度で汎用性に優れており、非常に複雑な形状をすばやく生成できます。また、非接触のため汚染が発生せず、クリーンルーム設備が不要です。この応用におけるミクロン寸法の作業では、品質を確保するために、非常に高品質のトポグラフィー画像とチャンネルの寸法に関するすべての情報が不可欠です。このレポートでは、共焦点顕微鏡によってレーザー書き込みで製作された構造の完全な特性評価を実施しています。
直接レーザー書き込みによって、ソーダ石灰ガラス上にマクロチャンネルを加工しました。使用したレーザーはパルス幅20 ns、中心波長1064 nmのRofin Nd:YVO4システムです。設備は、光線を発し、サンプル移動なしで複雑な構造を加工できるガルバノメーターシステムで構成しました。焦点距離100 mmのレンズを使用して基板表面にレーザー光線を当て80×80 mm2の作業エリアを確保しました。ソーダ石灰ガラスは現地のサプライヤーから調達しました。
構造の適切なアスペクト比を得るためにサンプルを数回レーザー走査しました。このようにしてトポグラフィーの変化を調査しました。1~10回のレーザー走査でマイクロチャンネルを製作しました。Sensofarの3D光学式形状測定装置S neoxを使用し、20倍対物レンズで構造の共焦点画像を取得しました。表面形状が生成され、レーザー走査によるマイクロチャンネルの深さの変化が描写されました(図1)。
マイクロチャンネルの壁の粗さは非常に重要な値です。マイクロ流体応用ではこの値が十分低くなければならないためです。Sensofarの3D表面形状測定装置S neoxと分析ソフトウェアSensoMAPによって、小さな面積から粗さの数値を取得することができました。50倍対物レンズで取得した、レーザー走査8回のマイクロチャンネル底部のトポグラフィーを研究対象に選択しました(図2)。
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直接レーザー書き込みの優れた汎用性と高い精度によって、一部のマイクロ流体デバイスの製造が可能です。図3は、それらの例を20倍対物レンズで取得した3D共焦点トポグラフィーを示しています。
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Sensofarの3D光学式形状測定装置S neoxによって、レーザー技術を使用して製作したマイクロチャンネルのトポグラフィーの特性を簡単に評価することができました。
共焦点法を使用し、20倍対物レンズでレーザー走査による構造の形状の変化を分析しました。また、分析ソフトウェアSensoMAPを合わせて使用し、製作したチャンネルの粗さのパラメータを計算しました。この場合は、共焦点トポグラフィーの取得時に50倍対物レンズを使用しました。
結論として、3D光学式形状測定装置S neoxを使用することにより、各構造の寸法と粗さの完全な特性評価が可能です。