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医療用インプラントの製造・管理
3D光学式形状測定装置S neoxは、マシニングスペシャリストによる欠陥原因ツールの特定や連続生産中の摩耗追跡を可能にし、生産工程管理と結果の改善を実現します
医療インプラント製造では、特に図1に示す脊椎領域の長期インプラント用のパーツにおいては非常に厳しい品質管理が必要です。検査されたパーツに原因不明の不均一の痕があり、これらは最終目視点検でのみ確認されました。多くの場合、目視点検の合格基準は人の目の見え方に依存し、一般的に顧客の仕様書には十分な説明がないため、パーツの合否の矛盾につながることがあります。
この欠陥に加工が関連している場合は、通常の粗さ分析がこれらの痕の評価に役立つはずです。しかし、仕上げが完了したこの複雑なチタン製パーツに接触型スタイラス式2D形状測定装置の痕が付くと、欠陥が許容範囲を超える可能性があります。このようなことから、欠陥原因を特定し、それを防ぐための製造変更の有効性を測定し、不合格の定量的閾値を設定するために、非接触型の光学表面形状測定装置による検査が選択されました。
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各方法における最適な取得設定を調べた後、本研究には連続共焦点モード、20倍率、3視野の拡張測定が最適な設定であることが分かりました。
図2は欠陥あり(不合格)と欠陥なし(合格)の2つのトポグラフィーを示しています。前者は縦方向の筋を示しています。これらは合格品の表面には見られません。
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図3 は、両トポグラフィーから抽出した2Dプロファイルです。この図を見ると、不合格品のトポグラフィーにはうねりが強く表れており、これは合格品には見られません。繰り返し測定を行い、SensoMAPソフトウェアで徹底的に解析して目視点検結果に相関する最も信頼性の高いパラメータを特定しました。表面の材料比や表面の逆材料比などのパラメータは、負荷曲線から簡単に計算でき、SensoMAPを使用して簡単に取得することができます(図4)。
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3D光学式形状測定装置S neoxは、マシニングスペシャリストによる欠陥原因ツールの特定や連続生産中の摩耗追跡を可能にし、生産工程管理と結果の改善を実現します。特に、共焦点法は表面の欠陥の定性的・定量的な検査に効果的な方法であることが実証されました。
合格品と不合格品の拡張分析では、SaやSzなどの共通の表面パラメータでは外観欠陥を十分正確に検出できないこと明らかになりました。管理者が必要に応じて不合格品を迷わず識別できることから、機能的パラメータが最も信頼性の高い基準として特定されました。
また、さらなる研究では完全なインプラント形状の3D復元が可能なS neox Five Axisなどのより高度なツールが検討され、これは摩耗分析、CAD比較、品質管理に活用できると考えられます。